手術翌日
一睡もできないまま長い夜を過ごし、朝を迎えても腰の辛さは変わらない。
酸素マスクは昨夜の内に外していて、心電図と酸素濃度計も外れ、少し体が自由になった気分。
とはいえ、実際には自由には動かない。
朝ごはんがきた。
夜中の痛みの中でもお腹は空いていたので嬉しい…となるかと思ってたが体のダメージは想像以上だったみたい。食欲が湧かない。
ベッドを45度まで起こすと軽く貧血。
この姿勢では自分で食べきれないので、介助をお願いする。
術後は重湯からだと思っていたが、驚いたことに普通の白米。さすがに食べきれず二口で終了。
なめこの味噌汁は半分飲む。
次回からはお粥にするよう頼んだ。
トラムセットを2錠食後に飲んだら、なんとこれが効いたみたいで、痛みが弱くなり1時間ほどウトウト寝ることができた。
手術前までは、飲まないよりはマシ程度の効果しか感じなかったが効くときは効くんだね。
昼食は一人で食べる。お粥が美味しい。
出された量の1/3は食べることができた。
トラムセットの効き目も昼には薄れ痛み止めをお願いする。
昨夜は注射で入れたが、今日からは座薬になるそう。嫌だな。
でもしょうがないので入れてもらう。気持ちの抵抗感に反して挿入はスムーズ。
私、座薬の達人?なんてバカな事を考える余裕も出てきた(笑)
座薬ちっとも効かないじゃんと思ってたら1時間過ぎたら効いてきた。
ウトウト寝る。
が、残念な事に両親がやってきて起こされる。タイミング悪いよ。
その後は眠れず。
夕食は半量食べる。
夜はトラムセット2錠、リリカ1錠、胃薬1錠。
座薬は6時間以上空ける必要があるが、ほぼMAXでお願いする。
夜は40~50分ウトウトして目覚め、また40~50分ウトウトを繰り返す。
まだ、体位を変えられないのでナースコールも。でも昨夜と違って横向きも随分と楽になった。
15分位しかもたないのは変わらないけれど。
手術当日(その2)
突如襲ってきた坐骨神経痛を痛み止めでやりすごし、家族も帰宅。
酸素マスク、心電図、酸素濃度計、点滴、腰から血を抜くドレーン、腰に繋いでる麻酔、導尿管と家族に言わせれば、できそこないのサイボーグ状態で全身チューブとコードだらけで夜を迎える。
麻酔の効果で傷の痛みは押さえられてて、少し痛い程度。健全な左足がビリビリしびれてる。右はしびれを感じないのは、まだマヒがあるせいなのか?
過去に開腹手術を経験していて、術後の辛さを知っていたのがヘルニア手術を避けたかった理由のひとつでもある。
背中を切ると寝る時に傷を体で押すことになるので開腹手術より辛そうだとは考えてたが、見事に的中!
仰向けで30分もキツい。
自分では体位を変えられないので、ナースコールで横向きにしてもらうが、普段から横向きが苦手。
10分位で苦しくなるのでナースコールして仰向けに。その繰り返し。
時間が経つにつれてキツさは増して、夜中の3時頃からは体位を変えても、背中の圧痛から逃れられず。
横向きで角度を決めるにも何度もやり直し、やっと決めても5分待たずに辛くなる状態。
もちろん痛み止め注射も何度か追加してる。
看護師に何とかならないかと泣き言を言うが、体位を変えてやり過ごすしかないと言われる。
しかも立てるのは2日目からなので、あと丸1日以上続くと聞いて、そんなに耐えられないと目の前真っ暗になる。
頻繁にナースコールし、あ~でもないこ~でもないと体位を決めるまで時間がかかっても常に優しく対応してくれた看護師の皆様は、本当に素晴らしいです。
そういえば、術後2日間は胃薬が出ていて、夜寝る前に(寝なかったけど)看護師から「水飲めそう?薬飲まなきゃいけないけど」と言われた時は嬉しかった!
朝から水飲んでないから喉がカラカラだったから。
水が飲めるのは開腹手術と違う点で良かったところ。開腹手術は翌日まで飲めなくて辛かった。
そんなこんなで、まんじりともできないままに手術1日目の朝を迎えた。
手術当日(その1)
無事に手術が終わって病室に戻り、そろそろ家族が帰ろうとした時、突然激痛が走る。
まだ動けないから動くというほどではないが、腰の辺りの筋肉を動かしたというか、それは体重のかかりかたを変えたという程度。
その時に右のお尻、腿~ふくらはぎの裏側に激しい痛みが走ったのです。
手術前のヘルニアによる坐骨神経痛は、横になればほとんど痛みもなく、少しの間なら歩いたり座ったりもできる程度の痛み。
その10倍くらいの激しい坐骨神経痛に襲われたのです。
とにかく「痛い!痛い!」と叫び、ナースコール。やってきた看護師は呑気に「痛み止め追加しましょう」と言って準備に行ったけど、ちょっと待て!手術の傷の痛みじゃない!
家族が「痛み止めとかそんな話じゃない。急に激痛がきた」と訴えて、医師を呼んでもらう。
まずは痛み止めを注射して痛みを抑えることから。
過呼吸になりそうになって、ゆっくり息をするように指示される。
体が痛みのある右側だけ、勝手にブルブル震えてしまう。
医師がきて脚のマヒや動きを確認し、大丈夫だろう。主治医にも連絡すると言う。
その頃には薬が効いて痛みは治まりつつあるが、体位を変える都度、激痛が走るので「何で手術前より痛いの?」と混乱するばかり。
坐骨神経痛が起きないように、体位を変える時は慎重に動くようにする。
主治医によると、圧迫されていた神経が敏感になってるので、ちょっとした刺激にも反応するのだとか。術後なので血腫などが刺激してるかもと。
マヒが出るとか痛みが酷くなったり続いたりしなければ大丈夫らしい。
なんだ、看護師の「痛み止め追加しましょう」は正しかったってことね。
いや~、焦った。
しかし、これから更に辛い試練が待ち受けていた。
いよいよ手術
手術当日は0時から絶食なので朝ごはんはなし。
朝6時まで水とお茶は飲んで良いので水を飲む。
普段、水分を多くとる方なので、術後しばらく飲めないのは辛いんだよね。
朝で術着に着替えて9時の予定より30分早く点滴開始。
手術の4時間以上も前からきがえて点滴するのは早いな~。
前に手術した病院では、直前だったような。うろ覚えだけど。
友達からLINEで応援メッセージ。ありがとう。怖くはないよ~痛いのが嫌なだけ。
エコノミー症候群の血栓予防で弾性靴下?を履くように指示される。ギュッと締め付けるためだから履くのに時間がかかる。
下着も不織布でできた手術用に着替える。
予定より1時間遅れで車椅子に乗って手術室へ。
とてつもなく目が悪い私。手術室前で眼鏡を家族に預けると何も見えない。
手術室の中ではマライア・キャリーがかかっていて「お?先生の趣味?」とか思う。
心電図と酸素計るやつを指につけて、点滴に麻酔を入れますよ~~直後から記憶なし。
あれこれ夢を見ながら意識が戻る。
ちょっと体をバタつかせて、回りでアワワってなってる感じがした。自分ではちょっとと思ってたけど、かなり暴れたらしい(恥)麻酔科の医師がこんなに元気な人見たことないと言ってたとか。
時間を読み上げる声が聞こえて、手術室へ入ってから2時間15分経ったのがわかった。
その後、病室に戻って点滴つけたりして落ち着いたのが、手術室へ入ってから3時間後。
3時間の予定だったから、バッチリだ。
主治医が病室に来て、とったヘルニアを見せながら説明をしてくれたが、何しろ目が悪いのでよく見えず。
ぼんやりだが、わりと大きい感じはした。
神経と癒着してたらしいけど、上手く剥がしてもらえたよう。つぶれていた神経も膨らんできたそうなので、大きな後遺症はないのかな?
器具を入れてた喉がやはり痛い。全身麻酔の後はいつも喉が痛いと訴えてしまう。
ヘルニア手術の後はヘルニアの痛みが劇的に消えたという感想が多いが、もともと寝てれば痛みは少なかったので、麻酔も残っているし劇的な感動はゼロ。
この時はまだ元気。地獄はこれからだった。
いざ入院
なんと入院日なのに二度寝、三度寝して昼前の11時まで寝てた。
昨夜、お尻、太股、ふくらはぎと湿布を貼りまくって痛みが軽くなったから?
軽くトーストを食べ、着替えて病院へ向かう。
しばらく離れる家の写真でも撮ろうかと思うが、いや、最短の1週間で帰るんだから縁起でもない。と思いなおす。
外は曇り、風がスゴい。
息子運転の車で後部座席に寝た状態で病院に向かう。座るとお尻や足が痛くて堪らないので、これが最近2か月の車に乗るスタイル。
病院について入院受付で手続き。入院は個室を希望。空きがあったので入れた。ラッキー♪
1日9000円は痛い。
子供には「個室入るの?」とヤヤ非難されるが、自分で稼いだお金で入るんだから文句あるまい!
以前入院した時は大部屋で、夜中の2時に電話でしゃべる人がいて眠れなかったり、1日中看護師を呼びつけて文句ばかりいう人がいてストレスマックス…
途中で個室を希望したけど空かなくて。
10日間ほんと辛かった(涙)
その時の運が悪かっただけかも知れないけど、もうこりごり。
保険で補填される分もあるよね~と個室を頼むことにした。
手術受けるだけでも辛いのでワガママ言わせて下さい。
入院して、まず看護師が血圧をはかり入院計画の説明。
1週間から2週間と聞いてたが、なんか退院まで2週間かかりそうなスケジュールじゃん。
飲んでいる薬の確認やアレルギーの確認もあった。入院の書類にも書いたのに。
肩甲骨下から腰まで剃毛される。電気シェーバーだけど、刃が当たって痛い。
もう少しイイやつ使った方がいいよ~。
看護師が置いていった病衣に着替えて本格的に入院体制。
検査は前で終わってるので特にすることはない。ベッドでのんびり新聞を読む。
2時間くらいするとリハビリの人がきて、また血圧測定。
痛みの状況や足の動きを調べる。
私は座ったり、立ったりすると痛みが強くなるので、ベッドに座って何分くらいで痛みが出るか計る。
1分で腰に違和感。10分くらいでふくらはぎにも痛みが出てきた。普段はもっと早く痛くなるんだけど、ベッドの高さや固さがちょうど良かったのかな?
座りながら家に階段や段差があるか、家族が家事などを手伝えるか等の聞き取りがされた。
それから歩き方や痛みの出方を確認するために、部屋から出て廊下をしばらく歩き回わる。
手術する人が、こんなに動けていいのかしら?と気になる。
最後に再度血圧を測って終了。
家でお風呂に入るときは、普通の風呂椅子に座ると痛いので、膝立ちしたりペタッとすわったりでシャワーという状況。
術後は介護用の高い椅子を買ったほうが良いかもと言われた。
う~ん。そうかも。でも年寄りみたいで嫌だなぁ。
いや、それより高さのある椅子だと我が家のお風呂は下の方に水栓があるから、調整できない?考えないと。
リハビリの人が帰り、しばらくして薬剤師がきた。また、血圧を測る。
飲んでる薬の確認。
手術後は2日間、ネキシウムという胃酸を抑える薬を飲むそう。手術のストレスが胃を傷めるんだって。
ふ~ん。なるほどね。私、胃は弱いからちょっと心配。
今度は看護師が手術の時間を伝えにきた。
明日、2人目の午後1時に決まったそう。麻酔入れて3時間だから4時頃までかな。
夕方、主治医が来て、「とうとう入院してきたね。逃げなかったね~。」と言うので「逃げたかったです。」と答える。
うん。手術はやっぱり嫌だ。でも、動けない状態をいつまでも続けるのも辛くなるよね?
ここまで来たらやるしかない。
手術前日は眠れるように安定剤を用意してるそう。準備がいいのね。
薬なくても眠れるといいけど。
ただの腰痛 ➡ ヘルニアまでのみちのり 1
約1年前に遡ります。
我が家は新築マンションへの引っ越しを控えてました。
人生の中でもワクワクランキング上位のイベントです。
まさか、その後に腰痛で苦しむなんて。
ひとかけらも考えてなかったわ。
引っ越しを控えてした事
我が家はちょうど教育費がピーク。
なので引っ越しにあたり、
ダイニングセットは新しく買わず、
使っているものをそのまま持っていく事にしてました。
で、椅子の座面に張られている布地の汚れが気になりまして。
新築に薄汚れた椅子は嫌ですよね~。
張り替えることにしました。
過去にも張り替えてるので、要領はわかってます。
半日床に座って腰を曲げて作業
椅子の張り替えかたはこちら↓
- ダイニングの床に椅子をひっくり返して
- ネジを外して座面を外す
- タッカーの針(大きなステープラーみたいなの)を引っこ抜いて古い布とスポンジを外す
- 座面の芯になる板に、新しいスポンジと布地を巻いて、タッカーでバチバチ留める
- 新しくなった座面を元通りにセットしてネジを締めて
- すっかり綺麗に生まれかわった椅子の出来上がり~。
綺麗になった椅子を眺めて嬉しくなります。
でも、この作業ですっかり腰に負担をかけてしまいました。
作業中にも休憩してベッドで横になって、
腰を伸ばしたりしたのだけど。
今、なんであの時、もう少し腰を労らなかったのかと後悔します。
すぐ治るでしょ
すぐ治る。
そう思ってたけど、翌日になっても翌週になってもなかなか腰痛はよくなりませんでした。
運動不足と加齢で、自分が思ってる以上に体は弱ってたようです。
新居への引っ越しで、嬉しい毎日。
そんな幸せと裏腹にヘルニアは少しづつ私を苦しめていくのでした。
心が折れた?
これまで保存療法を続けてきた。
「手術はしたくない。絶対治る。治す。」
期待に反し症状は悪くなったわけだけど、
良いと聞くと整体、整骨、鍼灸、ストレッチ。
なんとか治そうと頑張ってきた。
仕事も休まざるを得なくなり、
家事もできず、半ば寝たきり。
でも鬱になることもなく、
常に前向きにいられた。
少しづつ動けるようにもなってきて、
「これなら!」って思いはじめてたけど。
でも悩んだ末に手術を選択した。
それで心が折れたのかな?
ここ数日、痛みが増して動けない。
今日も座れず、同意書は先のばし。
会社にも行くつもりが、痛みに諦めた。
なんだかひどい頭痛にも襲われて、
血圧が150まで上がってしまうし。
手術のメリットがデメリットを上回ると考えて選択したけど、
自分じゃなくて、家族や会社を優先した選択だから心が拒否してるのかも。
イヤイヤ、そんな風に考えると、
ますます悪くなるよね。
明日は、元気になるぞ~。